マッキントッシュ アンプ

マッキントッシュ MC275の修理・オーバーホールはお任せください

マッキントッシュ パワーアンプMC275のメンテナンスに豊富な実績があります
内部が改造され、かつ故障していたMC275のメンテナンスの様子を紹介させていただきます
説明が長くなりますが、読み進めていただけると幸いです。

1 メンテナンス前のアンプの程度

ボヨンボヨンした音で、左chにハムが出ている。
音楽を聴くアンプとしては、全く使えないレベル。

2 メンテナンスの効果(改善)

改造されていた個所を元に戻したことで、MC275の正常な音になった。
しばらく動作させると左chからポツポツというノイズが聞こえるようになったが、
これは出力管KT88の不具合であった。

3 メンテナンスに要した時間 180時間

4 改造されていた箇所

 1)V4とV7(12AT7/12AZ7)のバイアスを可変抵抗でそれぞれ調節できるようにしている。

マッキントッシュ バイアスを可変抵抗で調整

   さらに平滑用の電解コンデンサ10μFを追加している。

マッキントッシュ コンデンサ追加

マッキントッシュ コンデンサ追加

 2)V5(12AU7 右ch)のプレート抵抗が、1番ピン側27kΩ、6番ピン側30kΩのところ
   1番ピン側33kΩ、6番ピン側27kΩになっている。

マッキントッシュ 抵抗値

   V2(左ch)は元どおり。

マッキントッシュ 抵抗値

 3)出力管V8~V11のグリッドへの配線に910Ωまたは1kΩの抵抗が追加されている。

マッキントッシュ 抵抗値追加

マッキントッシュ 抵抗値追加

 4)V1のソケットが交換されているが、センターピンがない。
 5)V1のプレート(1,6番ピン)とグリッド(2,7番ピン)の間の1.8pFのコンデンサがない。

マッキントッシュ ソケットセンターピン

5 改造されていた理由(推測)

 1)バイアス用のマイナス電圧を作るためのダイオードが壊れていた。
   固定バイアスではなく、グリッドリークバイアスのような動作になっていたかもしれず、
   それならボヨンボヨンした音になってもおかしくない。
   これに気づかず試行錯誤したのでは。

マッキントッシュ ダイオード故障

マッキントッシュ ダイオード故障

 2)プッシュプル動作のために同じ振幅で逆位相の信号を作るのに、この抵抗値は重要で、変更した意味不明。
 3)音がおかしいのを、寄生発振していると考えたのか?
 4)オリジナルと似たシールド付きのソケットでセンターピン付きのものが無かったのでは。
 5)省略する意味不明。取りはずし時に壊したか?

6 改造箇所への対処

 1)マイナス電圧用のダイオードを交換し、固定抵抗で分圧する回路図どおりのバイアス回路にもどした。

マッキントッシュ ダイオード交換

マッキントッシュ ダイオード交換

 2)V5のプレート抵抗を回路図どおりに戻した。

マッキントッシュ プレート抵抗修理

 3)グリッドの抵抗を除いた。

マッキントッシュ グリッドの抵抗

マッキントッシュ グリッドの抵抗

 4)V3V6(12BH7)はカソード同士を接続するのにセンターピンが邪魔なので、これを外して
   V1に移植し、オリジナルの回路のようにアースをとった。
   V1は左右両chの信号を扱うので、センターピンで左右をシールドしておく必要がある。

マッキントッシュ 真空管ソケット修理

マッキントッシュ 真空管ソケット修理2

マッキントッシュ 真空管ソケット修理3

マッキントッシュ 真空管ソケット修理4

 5)発振防止用と思われるので、2PFのコンデンサをPG間に追加。

マッキントッシュ コンデンサ追加

7 アンプの内部のコンディション

 a)シャーシとベークライト板が黒く汚れている。特にミニチュア管側

マッキントッシュ 内部汚れ

 b)トランスから出ているコードの糸の外被が脆くなっているところがある。

マッキントッシュ 配線手直し

 c)交換されているコードの被覆が薄いのでは

マッキントッシュ 被覆が薄い

 d)出力管のヒーター配線が長すぎて信号線に近づいており、ヒーター線と信号線が束ねられている。

マッキントッシュ 配線手直し

マッキントッシュ 配線手直し2

 e)抵抗の値が増大しているものがある
 f)電源のサーミスタの常温での抵抗値が小さい。

8 対処方法

 a)シャーシとベークライト板の清掃。

マッキントッシュ 内部清掃

   ベークライト板は汚れが取れないので、高圧の電極の周りは表面を削りエポキシ接着剤を埋めた。

マッキントッシュ 内部修理

マッキントッシュ 内部修理2

 b)チューブを被せ、これ以上外被が擦れないようにした。

マッキントッシュ 内部配線手直し

 c)高圧のところは600V耐圧のコードに交換した。

マッキントッシュ 内部配線交換

 d)オリジナルの配線に合わせてヒーター線はソケット間を最短で接続し、信号線をソケットにつなぐときは
   ヒーター線と直交するように配線した。

マッキントッシュ 内部修理

マッキントッシュ 内部修理

 e)抵抗値が許容範囲を超えているものがある場合、同類の抵抗を全部交換した。
 f)常温での抵抗値50Ωのものに交換。

マッキントッシュ 抵抗交換

9 交換したパーツ、配線の数 メンテナンス

 1)交換パーツ
  電解コンデンサ 7
  (ブロックオリジナル 4、ブロック追加 1、V1カソードバイパス 2)
  抵抗 24
  ダイオード 1
  サーミスタ 1
 2)取りはずしパーツ
  バイアス用:電解コンデンサ 2、可変抵抗 2、抵抗 2
  出力管グリッド用:抵抗 4
 3)配線の数
  150
  (出力管ソケット 20、MT管ソケット 63、ベークライト板 29 電源関係 23、その他ラグ板等 15)

読んでいただいたご感想やご質問など下のフォームから気軽にお寄せ下さい。
ヴィンテージオーディオ堂からもレスポンスを返します。

方法は簡単です。名前(ニックネーム)とコメントを入力し送信ボタンをクリックしていただくだけです。

“マッキントッシュ MC275の修理・オーバーホールはお任せください” への2件のフィードバック

  1. 沢田豊秋 より:

    30年ぶりにMC275を取り出して電源入れた所
    ヒューズが飛んでしまいました。
    試しに開けてみた所サーミスタが割れていました、
    これが原因かは判りませんが、実際調べないと判らないと思いますが修理メンテ費用はどの位かかりますでしょうか?、中は思った以上に奇麗でしたので修理したいと
    思います、写真のURLを掲載いたします。。

    http://fotla.net/39EtiC

    • ヴィンテージオーディオ堂 より:

      写真を拝見いたしました
      状態をご説明いただきまして、ありがとうございます
      いただいたメールアドレスにご返事いたします

コメントを残す