マッキントッシュ C33 メンテナンス後のご相談
1年前にマッキントッシュ C-33のオーバーホールを実施させていただいたお客様から、スピーカーからノイズが出るとのことでご相談をいただきました。
ヴィンテージオーディオ堂では、修理・メンテナンス後のご相談にもしっかりと対応します
オーディオの不具合症状
(お客様からのご相談内容)
フォノ入力時(無音時)にスピーカーからノイズが出るようになった。
昇圧トランスをオンの時はノイズも大きく,スルーの時もボリュームを上げるとやはり出ます。(ブーと言うノイズで,ボリュームに比例して大きくなります。)
アース線が外れたのかと考え確認したが問題無く、コードを付け替えたが変わらず。
PHONO2も同様にノイズが出る。
次にパワーアンプの不具合を疑い、MC7300とMC7270をC33のOUTPUT1,OUTPUT2にそれぞれ接続しているが、1台づつ切り替えて比較したが。OUTPUT1,OUTPUT2とも同様にノイズが出る。
入力をAUX、TUNER、TAPEに切り替えるとノイズは出ないので、C33のPHONO回路の故障だと考える。
また、C33のPHONO入力端子からケーブルを抜いてノイズを確認すると、ノイズは出る。
ただ、格段にノイズは小さいがボリュームを半分より少し上げるとパワーアンプのアウトプットメーターが振れる。SELECTORをAUX、TUNER、TAPEに切り替えると、耳で聴き取れる微かなノイズがある程度で、メーターが振れる事はない。
お客様に試していただいた内容(こちらからお送りしたメール文)
確認ですが、ノイズが出はじめたきっかけにお気づきのことはありませんか?(機器の配置を替えた、ケーブルの接続をやり直した など)
スルーというのは昇圧トランスのスイッチで操作したということですね。
スルーでもオンでもノイズがあり、オンのときノイズが大きくなるということは、昇圧トランスの入力側でノイズが発生していると考えられます。
(C33の問題ではないと考えられます。昇圧トランスを外してプレーヤーのピンプラグを直接C33のフォノ入力に接続すると分かります。)
なお、オーディオの不具合原因の切り分けはこちらのページがご参考になりましたら幸いです。
・アース線を確認されたとのことですが、プレーヤーと昇圧トランスの間と昇圧トランスとプリアンプの間の両方を確認されたでしょうか?
こちらを試していただけますか。
・昇圧トランスの入力側のピンジャックとプレーヤーのピンプラグを抜き差ししてみる。
・プレイヤーの出力側のピンプラグを抜き差ししてみる。
・プレーヤーの電源プラグを逆に差してみる。(コンセントの穴の長い方と短い方を逆に差す)
あとは、機器の配置替えやケーブルの接続をやり直したなど、変更されたようでしたら、
・ケーブルの長さに余裕があれば、昇圧トランスの位置を変えるか少し持ち上げてノイズが変化するか確認してみる。変化するようなら外部の磁気の影響の可能性が大きいので磁気の影響のない場所を探してみる。
・C33の電源プラグを逆に差してみる。
C33のフォノ入力端子からケーブルを抜いた状態でVOLUMEを12時よりあげると(POWER AMPのゲインの位置にもよります。)、スピーカーの能率などにもよりますがホワイトノイズが聞こえるのは普通かと思います。パワーアンプのメーターもワット専用のものはメーターの最小が-60dBくらいなので振れることがあると思います。フォノの場合、ハイレベルより40dB余分に増幅していますので、ノイズの違いは出ます。
ノイズが改善されたとのご連絡
配置替え,配線の繋ぎ替えをノイズが出る直前に実施されたとのこと。
サイズの大きいクリーン電源を入手されたため、設置場所に困り,ラック上にある普段あまり使わないサブのCDと,カセットデッキを退かして設置したら急にノイズが出だした。
全てノイズの出る前の配置に戻すとノイズが出なくなった。
ただ、MCトランスを接続するとまだ若干ノイズ聞こえるので,もう少しクリーン電源の位置を考えてみますとのご連絡をいただきました。
ヴィンテージオーディオ堂の返信
オーディオラック上では、アンプとは別の段に設置するレコードプレイヤーの隣に置くとノイズの影響が少なく、見た目も整うように思います。
電力の大きい順に電源装置、パワーアンプ、プリアンプの順番に、磁力が大きいので、縦置きのオーディオラックでしたら、下段からこの順番に置いて、プレイヤーを一番上に置くのが好ましいように思います。
アンプの上板は鉄板ですので、アンプの上に昇圧トランスを置くことは良くありません。磁力線が直接昇圧トランスに伝わります。
ノイズが解消されたとのご連絡
クリーン電源を可能な限りMC昇圧トランス,アナログプレーヤーから遠くに設置したところ、嘘の様にノイズが消えました。
ヴィンテージオーディオ堂のコメント
クリーン電源のトランスの磁力線(磁場)が漏れて、MC昇圧トランスに入るとハムの原因になります。
昇圧トランスの位置を動かしてみて、ノイズの影響を受けないところに置くのが良いです。
アンプもトランスが内蔵されていますので、アンプからも遠ざける、
たとえばC22のトランスの位置は、向かって右横にあるので、向かって左横に置くだけでノイズが改善されます。
おっしゃるようにクリーン電源が影響してノイズに悩むことになる…普通は思いもよりませんね。
トランスは金属で覆われており、アンプのシャーシも金属で覆われているので、磁力線が外に漏れないように配慮された設計ですが、実際は漏れています。
当社でオーディオ音響コンサルティングをさせていただく際は、専用の測定器を用いて、リスニングルーム内の磁力線の影響を測定して、オーディオ機器の設置を検討することもあります。
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