マッキントッシュ アンプ

MC275の真空管ソケットのメンテナンス

MC275などの真空管アンプでは、真空管のソケットの挿し込み金具が経年劣化しているものがあります。
抜き挿しのストレスによる金具のメッキが削れ、腐蝕によるサビの発生、金属の痩せ、ガタツキにより、真空管のピンとソケットに接触不良が出ることがあります。
ヴィンテージアンプは、これまでの使われ方、環境によって、状態は大きく違います。
真空管のソケットをすべて新品に交換すれば問題は解消されますが、特にヴィンテージアンプにおいては、パーツの状態が悪くなければ、なるべくオリジナルのパーツを活かすようにします。
パーツの劣化の程度は一見して分からないことも多いですが、お客様からお聞きしたこと、アンプの点検・試験結果から分かったことから判断し、パーツの状態を把握します。
MC275に使われていたKT88の真空管ソケットの挿し込み金具1本を取り外して、拡大して状態を観察しました。

真空管ソケットの金具を1本抜き出した様子です。
ちょっと見た程度では、悪いようには見えません。

mc275_pin1

mc275_pin2

金具を展開した状態です。
真空管のソケットとの接触面に錆が出ていることが分かります。
但し、取り外した金具は再利用が難しくなりますので、ソケットを分解せずに状態を把握することが大切です。

mc275_pin3

パーツの選定

品質に信頼のおけるパーツを選びます。
金メッキのものなど、新しい時代のものが良いと限りませんし、パーツの見た目がオリジナルに近ければいい、というわけでもありません。
アンプのオリジナル性を大切にしつつ、メンテナンス後のアンプの信頼性を確保できるパーツを選びます。
こちらは、真空管ソケットを全数交換したMC275オリジナルの写真です。
オリジナルと同じように、シャーシとソケットは段差がなく平面に仕上がっています。
また、交換に用いたソケットは、アメリカから取り寄せた信頼性の高いものを用いました。

mc275_socket

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